その土地ならではの地酒を紹介するシリーズの第23弾。
今回は愛知のお酒を紹介したいと思います。
①勲碧 (くんぺき)
「勲碧酒造」は創業大正4年(1915年)。銘柄「勲碧」の由来は、澄んだ青空を表し、大自然の力にて醸される清酒に相応しい名として、昭和51年、金沢の四大道本庁・長橋靖彦初代管長が命名しました。
「水と酵母にこだわる酒蔵」として、水は地下百mを流れる木曽川の伏流水を、一切加工せず自然のままに使用。酵母は、控えめな奥行きのある香りと、深い味わいを醸し出す十号酵母のみを使用しています。
「勲碧(くんぺき)地産地消 夢吟香 純米酒」は、地元江南市で育った原料を元に、愛知県の酵母を使用し、地元だけで販売する「地産地消」のお酒です。 愛知県の新しい酒米「夢吟香」を使用。
「夢吟香」は日本一と言われる「山田錦」と愛知県の酒米「若水」を掛け合わせて作られた酒米で、高精白も可能な品種として開発された期待のお米です。 このお酒は65%精米とあまり磨かずお米の持つ旨みを存分に引き出しています。
②白老 (はくろう)
「澤田酒造」は創業元禄元年(1696年)。当時、尾張藩の御用商人であった木下仁右衛門が保命酒と呼ばれる薬用酒をつくり、壷に入れて献上したのが始まりといわれています。元禄十年ごろから江戸への出荷が始まり、一大産地へと発展していきました。
「白老 純米大吟醸」は、希少価値の高い兵庫県産特A地区東条山田錦を100%使用して造られた純米大吟醸です。 やわらかな香りとおだやかな味わいが特徴のお酒です。
③長珍 (ちょうちん)
「長珍酒造」は1868年(明治元年)の創業。当初の屋号は「提灯屋」でしたが、いつの時代にも末長く、珍しくおいしいお酒、珍重される酒でありたいという願いを込めて「長珍」となりました。
仕込み水は、木曽三川の伏流水が蔵内の井戸で汲み上げられています。ミネラルの豊富な硬水で、酒造りに不都合な鉄分などが含まれないため、そのまま使われています。この水(硬水)のおかげで、完全醗酵の腰の強いお酒が出来上がります。
「長珍 備前雄町50 無濾過生原酒」は、岡山県産備前雄町を100%使用した「長珍」の隠し酒で、極少量瓶詰めされ、限られた一部の特約店のみでの限定販売商品です。 酸の立ち上がりが印象的で、深い旨みはそのままによりコクのあるタイプに仕上がっており、味のある料理との相性が良い吟醸酒になっています。
④蓬莱泉 (ほうらいせん)
「関谷醸造」は元治元年(1864年)創業。自然豊かな愛知県設楽町に有ります。創業以来、日本酒の可能性を柔軟に追求し、伝統の技と革新的な技術を用いた、高品質の酒造りを行っています。
「蓬莱線 空(くう)」は「関谷醸造」の看板商品として絶大な人気を誇ります。酒造米には良質な山田錦を使用、果物を思わせる芳醇な香りと米の旨み・甘味を引き出した味わいのある純大吟醸酒です。このお酒は、1年間の熟成期間を経て瓶詰め・出荷されます。
⑤義侠 (ぎきょう)
「山忠本家酒造」は1789年~1801年(寛政年間)江戸時代中期の創業。酒銘の由来は、明治時代に小売商と年間契約を結んでいましたが、原料が高騰したことで同価格では採算が合わないにも関わらず、約束を守ったことから来ているそうです。
全量純米仕込みにこだわる蔵元で、最高ランクの特A地区に指定される兵庫県加東市東条町産の山田錦、富山県南砺産の五百万石という、良質の酒米のみで酒造りを行っています。
「義侠 五百万石純米 生原酒」は、しぼった翌日に瓶詰め・出荷をするフレッシュな新酒です。 義侠のメインである山田錦とは異なる味わいが楽しめます。 滓がらみ(おりがらみ)の商品と比べて、滓下げした分スッキリとした香味となっています。
⑥二兎 (にと)
「丸石醸造」は創業1690年。「三河武士」や「徳川家康」という銘柄で知られていますが、2015年に「二兎」をリリースしました。「二兎」は「二兎を追うものしか二兎を得ず」から。その意味する所は、「味」と「香」、「酸」と「旨」、「重」と「軽」、「甘」と「辛」といった、二律背反する要素を、最高のバランス・味わいで楽しめるよう贅沢に追い求めたお酒です。
「二兎 純米 山田錦六十五 火」は、穏やかに感じる旨みと包み込むように入り込む酸味と、シャープで切れの良い旨み、豊かな含み香を感じる落ち着いた味わいが特徴です。
⑦奥 (おく)
「山﨑合資会社」は明治36年創業。愛知県西尾市の幡豆地区に有ります。幡豆の豊かな自然が育んだ水と、澄んだ空気、そして独自の酒造りノウハウから生まれた「尊皇」、「尊王」は地元でも高く評価されています。
「夢山水十割 奥 熟 純米吟醸原酒」は、奥三河で契約栽培した高品質の酒米「夢山水」を100% 使用。アルコール度18度以上という今までに体験したことの無い「とろみ」のある味の濃い香りの良い純米吟醸酒です。
⑧醸し人九平次 (かもしびとくへいじ)
「萬乗醸造」は創業1647年。愛知県名古屋市緑区大高町に有ります。「萬乗」「酒望子」等を醸造して来ました。1997年「醸し人九平次」を発表。2006年にはパリにある3ツ星レストランにてワインリストに採用となりました。
「醸し人九平次 純米大吟醸 雄町」は、雄町の柔らかさと旨味、そして酸がバランスよく仕上がっている一本です。爽やかな吟醸香に、酸味と米の旨みのバランスが抜群で、味付けの濃い料理にも負けない力強さも兼ね備えています。
いかがだったでしょうか?
日本全国美味い日本酒巡り:その23.愛知の日本酒。
お気に入りのお酒を取り寄せて、愛知の名酒を味わってみては如何でしょうか?