その土地ならではの地酒を紹介するシリーズの第9弾。
今回は群馬のお酒を紹介したいと思います。
①土田
「土田酒造」は明治40年(1907年)に創業しました。 蔵のある群馬県川場村は尾瀬から流れる清らかな川に恵まれ、その伏流水は上質な軟水。 その水を生かした『誉れ国光』銘柄の日本酒は県内で大変人気があるばかりか、モンドセレクション連続金賞受賞(2009・2010年)など、非常に高く評価されています。
通常の日本酒の仕込みは、麹の割合が20%。白米の割合が80%です。
「麹 Gradation」は、麹の割合が ・99%・77% ・55% と変化させた、3種類が入っています。
麹の歩合が多くなるほど、甘み、うまみ、苦味などのリッチさが変わります。 お米の違いよりも、はっきりと味わいの違いが出ます。麹の違いが味にもたらす変化をお楽しみ頂けます。
②水芭蕉
「永井酒造株式会社」は創業明治19年。初代当主が、上州・武尊山に降る雨や雪が尾瀬の大地で濾過された天然水に惚れ込み、川場村で酒造りをスタートしました。
平成4年、品質にこだわった主軸ブランド「水芭蕉」を発売開始。 徹底的に質にこだわった吟醸造りを目指した新蔵、「水芭蕉蔵」が平成6年完成。 2008年、瓶内二次発酵製法による発泡性清酒「MIZUBASHO PURE」が誕生。
そして、2013年に満を持して発売に至った「Vintage(ヴィンテージ)Sake」。Vintage Sakeとは20年の研究を経て確信した、古酒ではない「Vintage」という新しい概念の日本酒で、「時の流れ」を加えないと出来ない味わいに仕上がっています。
「水芭蕉」は水、米、技、全てにこだわり、丁寧に作られた日本酒です。 群馬県最北部に位置する川場村で、尾瀬の大地に包み込まれるかのようにゆっくりと濾過された大自然の水を使用しています。 兵庫県三木市別所地区の農家と契約栽培を行い、信頼の農家さんが丹精こめて育てたお米、「山田錦」で仕込みます。 明治19年より受け継がれてきた蔵人の伝統と技術が加わり、口に含んだ時にフワッと膨らみ喉を通した後にほのかな甘みが口中に広がります。
③巌
「巌」の醸造元「高井株式会社」は享保14年の創業で、清酒「巖」、「上州の寒梅」などを製造しています。「巖」の由来は「大山巖元師」の「巖」からとったものだそうです。昭和62年に群馬県藤岡市に蔵を新築して以来、地元で人気の地酒です。
硬水で醸される「巌」には、初日から旨い「初日巌」と日増しに旨くなる「経日巌」があります。 この新酒は「初日巌」で開栓直後から今迄の「巌」にないフレッシュな香りが漂い、ひと口呑むとスルりとバランス良いしっかりとした芯ある旨味にキレある辛口仕立ての余韻があります。
④流輝
「流輝」の醸造元「松屋酒造」は酒蔵としての創業は昭和26年ですが、元々江戸時代の頃は富山県で米問屋を営んでいて日本酒に欠かせない米との関わりは深い歴史がある酒蔵です。群馬県藤岡で湧き出す御荷鉾山系の水は非常に良質、そこに酒蔵独自の米の造詣を融合することで旨味に満ちた日本酒が誕生します。
「流輝 純米吟醸 初搾りおりがらみ生酒」は早生品種である五百万石で仕込まれ、米溶けが控えめな分、例年と比べて雑味が少なく綺麗な口当たりになっています。
⑤聖
「聖・ひじり」の醸造元「聖酒造株式会社」は、群馬県渋川市の伊香保温泉の近くの場所で140年ほど酒造りを行い、現在で八代目となります。 元々は「現代の名工」と呼ばれた南部杜氏が仕込みを行っておりましたが、7年前より蔵元杜氏に切り替えて酒造りをしています。2017年の「Sake Competition」において純米吟醸部門の「GOLD10」に輝き、その他のコンテストでも多数の受賞歴が有ります。
いいところを搾り場で味見しながら選定・詰める 槽場直詰「聖(ひじり)」。綺麗であり、膨らみを感じる味わいは、コストパフォーマンス抜群です。
⑥龍神
「龍神」の醸造元「龍神酒造」は「尾瀬の雪どけ」で知られる群馬県館林市の酒蔵です。蔵の名前でもある「龍神」は、仕込み水に使われている名泉「龍神の井戸」に因んでいます。小さな酒蔵ながら、昔ながらの手作業に重点を置いて丁寧な造りがモットーです。
「龍神」シリーズは、酒米別のラインナップが充実しており、原料米は全て農家や生産者団体との自家取引で、酒蔵内で自家精米しています。酒造好適米を契約農家から仕入れ、酒米ごと工程を変えるこだわり様です。
「龍神」のコンセプトは、「酒米それぞれの、より明確な個性を前面に出す」。 播州山田錦を磨き48%で醸した純米吟醸です。香りはリンゴや柑橘系の爽やかで エレガントな香りを持ち、山田錦酒らしい風格を持っています。 味わいは華やか旨味ですが心地は軽快でスッキリ。余韻はキレイなフェードを持っています。
⑦尾瀬の雪どけ
醸造元の「龍神酒造」は「龍神」シリーズを出している群馬県館林市の酒蔵です。蔵の創業は南北朝時代にさかのぼるといわれ、二十五万石の城下町・館林で、尾瀬の雪どけが滞積してできた名水「龍神の井戸」のうえに土蔵酒蔵をつくり酒業をスタート。酒の麹米は山田錦を中心に使用し、良い麹を得るために、ぬかを完全に落とすべく、すべて手作業による「手磨き洗米」を行っています。
「尾瀬の雪どけ 純米 大辛口」はフルーティーな味わいを得意とする「尾瀬の雪どけ」の大辛口タイプ。コクのある米の旨味としっかりとした酸味、フルボディでキレのある辛口に仕上がっています。
⑧町田酒造
「町田酒造」は、三十代の専務兼杜氏が醸す群馬県前橋の酒です。代表銘柄の「清りょう」をはじめ、敷地内の井戸から湧く、口当たりのいいまろやかな軟水で酒造りを行っています。きめ細やかな味わいの酒は、利根川の豊富な伏流水に恵まれた土地の利を生かした酒造りです。 超軟水を使い、フレッシュ・ジューシーな味わいが特徴。
「町田酒造 純米吟醸 五百万石 にごり」は、フルーツの香りが混じりながらにごりらしい酒米の香りが立ちます。 フレッシュな直汲みのフルーツさににごりからくる甘味がプラスされ、クリーミーなにごりの甘さを感じつつ、炭酸がすっきりとしめてくれる、とてもバランスの良いにごり酒です。
いかがだったでしょうか?
日本全国美味い日本酒巡り:その9.群馬の日本酒。
お気に入りのお酒を取り寄せて、群馬の名酒を味わってみては如何でしょうか?