日本酒には様々な種類が有ります。
今回は新酒をご紹介したいと思います。
1.新酒とは?
日本酒の酒造年度(BY)(=BreweryYearの略)は、7月1日を初日とし、翌年6月30日までの1年間としています。この酒造年度内に造られて出荷された日本酒が「新酒」となります。
日本酒の酒造年度(BY) 7月<ーーーーーーーーーーーー>翌6月 |
一般的に「新酒」は、その年の秋に収穫された新米で仕込んだ「新米新酒」、冬の寒い中で仕込んだ「寒造り新酒」と呼ばれるものが多く、冬から春にかけて出荷されます。“初しぼり”などと呼ばれることもあります。
1−2.新酒の特徴
新酒は、新鮮で爽やかな香味を特徴としています。
新酒の中でも、抽出工程によって呼び名や味わいは異なります。
搾り 搾り始め<ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー>搾り終わり あ 中 責 |
日本酒を搾る、いわゆる“上槽”の際、最初に出てきた日本酒は「荒走(あらばし)り」と呼ばれます。
ここで抽出された日本酒は薄い濁りがあり、おり(お米の破片などの固形物)も多目です。アルコール度数はやや低めで、香りが高いのが特徴です。
次に抽出されるのが、「中汲み(中取り)」と呼ばれる日本酒です。色味は透明で、味と香りのバランスが優れているため、日本酒の鑑評会に出品される酒は、「中汲み(中取り)」が多いそうです。
「責め」は中汲み(中取り)が終わった酒袋に、さらに圧力をかけて搾ったお酒で、「押し切り」とも呼ばれます。強い圧力をかけて搾るため、雑味があって荒々しいと評されますが、そこが「中汲み」や「あらばしり」にはない魅力という人も少なくありません。アルコール度が高く、濃厚な味わいがたのしめます。
2.様々な新酒。
①純米吟醸 名倉山酒造 月弓(げっきゅう)かほり
「名倉山」は大正7年(1918年)創業。昭和48年、まだ全国的には甘口の酒が全盛で、ここ会津地方の蔵元でも鑑評会への出品をしていないときに「吟醸造りで一般の消費者に飲んでもらえる純米酒を造りたい」と考え、吟醸・純米酒造りに着手しました。
東北鑑評会17年連続金賞受賞、第91回南部杜氏自醸清酒鑑評会で最高位である首席を受賞しています。
「純米吟醸 名倉山酒造 月弓(げっきゅう)かほり」は、酒造好適米「山田錦」を55%まで磨いた吟醸酒。華やかな香りに特徴を持たせ、さわやかな果実香の印象後にお酒本来の馥郁とした味わいがひろがります。
②土佐鶴 大吟醸 白鳳印千寿
銘醸「土佐鶴酒造」の白鳳印はちょっぴり贅沢、背伸びしたいときに飲みたい、おしゃれな大吟醸酒です。
酒米の山田錦を40%以下まで磨き上げ、低温でじっくり仕上げており、ふくよかな吟醸香にしっかりした味わいで雑味を感じません。
また、日本料理との相性は抜群で、しゃぶしゃぶをポン酢で味わうなど和風の肉料理にも間違いなくピッタリ合いそうです。
③作 ざく 純米大吟醸 新酒
三重県鈴鹿市の酒蔵、「清水清三郎商店」が醸造する日本酒「作」は高品質で香味の美しいタイプの日本酒です。
仕込み水には鈴鹿山脈の清冽な伏流水、原料米には伊勢平野の良質な酒米を使用するなど、厳選された素材への執着が優良な酒質につながっています。
清水清三郎商店のお酒は年間通して造られる『四季醸造』。
要するに出てくるお酒は全てが「新酒・しぼりたて」です。
では、「作(ざく)の新酒とはどういう意味か?」と言うと、『その年に入荷した新米で醸した最初のお酒』という位置づけです。
「作 (ざく) 純米大吟醸 新酒」は、「作(ざく)」 の特徴である華やかなで若々しい香りが立ち、はじけるような味わいが口の中に広がります。
新米で醸した新酒の生まれたての柔らかな口当たりをご堪能ください。
④東豊国 一歩己(いぶき)うすにごり
「豊國酒造」は、江戸時代の天保年間に創業し、阿武隈山系に位置する自然豊かな小さな町、古殿町にて、200年以上にわたって酒造りを行ってきました。 出荷の大部分は、石川郡及び旧東白川郡を中心とした地元で消費されてきました。
「一歩己」(いぶき)は2011年に9代目蔵元「矢内賢征」によって「伝統・格式+モダン」をコンセプトに新たに創られた銘柄です。
「東豊国 一歩己(いぶき)うすにごり」は、爽やかな香り、コメの旨みと酸味がバランスよくソフトな苦みが後味をギュッと引き締めます。 2020年新春第一弾のうすにごり。キレの良さをもったお酒です。
⑤亀泉 純米吟醸 原酒 CEL−24 生酒
「亀泉 純米吟醸 原酒 CEL−24 生酒」は、こだわりの酒造りでファンの多い「亀泉酒造」が、広島県産八反錦を50%まで磨き上げ、酒名の由来である、高知県で開発された酵母『CEL-24』を使用して醸した純米吟醸生原酒です。
特徴は仕込み毎に変わる、土佐酒では大変珍しい極々甘口の日本酒度。香り高くフルーティで、原酒にしては低いアルコール度ながら、しっかり感じる酸味とほのかな甘みのバランスは絶妙で、初めて口にすると日本酒のイメージが変わるかもしれません。
日本酒はあまり得意ではないと言われる方や女性にピッタリです。 また酒通を自認する方にも一度お試し頂きたい、飲む度にクセになっていく不思議な土佐酒です。
⑥金水晶(きんすいしょう) 大吟醸
「金水晶(きんすいしょう) 大吟醸」は、酒造米の最高峰、山田錦の中心部のみ(精米歩合40%)を使い、低温発酵で丁寧に仕込んだ贅沢なお酒です。
ふくよかな味と果物を思わせる芳醇な香り、雑味を極限まで抑えた引き締まった飲み口のお酒です。
2018酒造年度 全国新酒鑑賞会 金賞受賞、福島県秋季鑑評会でも金賞を受賞しています。
燗をせず、そのままお召し上がりになることをおすすめします。
⑦土佐鶴 吟醸酒 アジュール ’azure’
「土佐鶴酒造」は安永2年(1772年)創業。高知県東部の安芸郡安田町にあり、酒造蔵のすぐ側を鮎おどる清流・安田川が流れています。その安田川の伏流水を使い、原料米は、淡麗な酒を醸す高知県産米から吟醸に最適な酒造好適米「兵庫山田錦」まで目的に応じて幅広く使用し、自社の精米工場で特に厳選して精米しています。
「土佐鶴 吟醸酒 アジュール ’azure’」は、滑らかでキレがあり、後味爽快なニュー・タイプの吟醸酒。
海洋深層水仕込みの力強い発酵により生み出されたスッキリと透明感のある辛口吟醸の味と香りをお楽しみください。
⑧白隠正宗 新米新酒 誉富士 純米生原酒
「高嶋酒造」は、文化元年(1804年)創業。静岡県の沼津市に有る酒蔵です。「白隠正宗」の酒銘は、臨済宗中興の祖と言われる「白隠禅師」が朝廷より「政宗国師」の称号を賜った事から来ているそうです。
「白隠正宗 新米新酒 誉富士 純米生原酒」は、今期栽培された静岡県産米の「誉富士」を100%使用して造られた純米生原酒です。 香りに頼らず、米の味を重視した造りは今年もブレがありません。
槽でゆっくりと搾られたキメ細やかなお酒で、とても優しく滑らかです。可愛らしい旨みを包む酸は新鮮で軽快、ダイナミックな生原酒ではなく清楚な印象が残る生原酒です。
穏やかな含み香は新鮮な果実のように上品で、旨みとベストマッチ。後半はドライにキレていき、口中でもたつかないキレ味抜群の1本です。
いかがだったでしょうか?
様々な清酒とオススメのお酒その13.オススメの新酒。
お気に入りのお酒を取り寄せて、美味しい生酒を味わってみては如何でしょうか?