その土地ならではの地酒を紹介するシリーズの第33弾。
今回は鳥取のお酒を紹介したいと思います。
①稲田姫 (いなたひめ)
「稲田本店」は延宝元年(1673年)創業。鳥取県米子市にある老舗酒蔵です。秀峰大山山麓の豊かな自然に囲まれて醸される蔵元の清酒は「稲田姫」、「トップ水雷」の銘柄があります。清酒「稲田姫」はヤマタノオロチ伝説でスサノオの命に助けられるお姫様。「トップ水雷」は東郷元帥が山陰行幸の際に、このお酒をお飲みになり大変気に入り直々に 名付けられた名前です。
「稲田姫(いなたひめ) 純米吟醸」は、秀峰大山よりながれ出る伏流水と大自然の中で育まれた良質の米で造られた果実を想わせる爽やかな香りとキリッと辛口は稲田本店の代表作です。
常温または冷やしてお楽しみください。
②山陰東郷 (さんいんとうごう)
「福羅酒造」は明治22年(1889年)創業。鳥取県東伯郡湯梨浜町にあります。水は醸造における水質適正が県内の名水に匹敵するかそれ以上の町内方地地区が管理している生活湧水を使用し、米は隣町の三朝町産の若き篤農家と契約栽培で作っている山田錦、町内の契約農家で栽培している酒造好適米の玉栄(たまさかえ)を主に使用しています。
「山陰東郷(さんいんとうごう)生もと純米 炭酸割専用 火入れ原酒」は、山陰東郷の生もと造りのテーマ「遊び心のある日本酒を造る」を目指したお酒です。 “「愉しむお酒」としての可能性をさらに追及出来るお酒を造りたい”と言う気持ちで醸したそうです。この「炭酸割専用」は「福羅酒造」の生もとのお酒のテーマに沿うべく酒質設計している日本酒です。
③応援之酒 冨玲 (フレー!)
「梅津酒造」は慶応元年(1865年)創業。伯耆(ほうき)の国(今の鳥取県中西部)には、伯耆富士といわれる秀峰大山(だいせん)から湧き出る豊かな水と自然に恵まれ、人情味溢れる穏やかな暮らしの中に酒造りに適した気候風土がありました。古くは「愛梅(あいばい)」とか「浜千鳥」「円満」という銘柄があったそうです。平成17年の仕込みからは、すべての日本酒を米と米麹だけに変えました。
「冨玲(ふれー) 特別純米」は、「全量純米蔵を目指す会」と提携している徳島県の契約農家産、「阿波山田錦」を全量使用した特別純米酒。24BYから「生もと造り」になっています。
燗での膨らみが抜群です。
④弁天娘 (べんてんむすめ)
「太田酒造場」は明治42年(1909年)創業。鳥取県の山間にある蔵元です。一般的にお酒はタンク毎に微妙に異なるスペックを平均化するためブレンドするのですが、ここのお酒の特徴として、ブレンドせずに仕込順毎に商品として出荷する為、同じ純米酒でも仕込み順が違うと大分味わいが異なることです。仕込み順1号は「1番娘」とそれぞれ「○番娘」と名前を付けて表示しています。これは仕込み毎に異なる味わいを味わって欲しいとの願いからそうしているそうです。
「辨天娘 べんてんむすめ 純米酒 五百万石」は、自家栽培した地元の若桜太田産の五百万石を使用して醸されています。香りは穏やかですが青リンゴのような香りもあります。味わいも派手さは無いがしっとりとした味わい、燗をすると旨みが際立ち、燗ざましはさらに美味しいしっかりと発酵させたお酒の特徴が出ています
⑤鷹勇 (たかいさみ)
「大谷酒造」は創業明治5年(1872年)。鳥取県のほぼ中央に位置する琴浦町にあります。酒名『鷹勇』は愛鳥家だった初代当主が、大空を舞う鷹の勇姿に魅せられて名付けました。恵まれた土地で作られる米、大山の雪解け水、清澄な空気、冬の寒冷な気候が『鷹勇』を醸し出します。
「鷹勇 純米吟醸 『なかだれ』」は、麹米に『山田錦』、掛米に鳥取県産の『玉栄』を使用して50%まで磨き上げたお酒です。旧式の酒槽で搾り、自然に流れ出る“なかだれ”とよばれる最良の部分だけを瓶詰めしました。しっかりとした旨みと、上品な喉ごしでキレも良いお酒です。
”なかだれ”というのは、もろみを搾って最初に流れ出る“あらばしり”の後に出てくる最良の部分の酒です。 最初の若く荒々しい味の後から抽出した部分で飲みやすく、香り味のバランスの良いおいしい贅沢な酒です。
⑥諏訪泉 (すわいずみ)
「諏訪酒造」は安政6年(1859年)創業。諏訪酒造のある鳥取県智頭町(ちづちょう)は、鳥取砂丘へ砂を運んだ千代川(せん だいがわ)の源流近くに位置し、この千代川の伏流水を汲み上げ、そのまま一切手を加えることなく、仕込みはもちろん、洗瓶までにも使用しています。 米は兵庫県産山田錦、鳥取県産玉栄等を使用。2002年の造り(H14BY)から、兵庫県の冨田農場の山田錦を使用しています。
「諏訪泉 阿波山田錦 2009 ビンテージ」は、マイルドな口当たり、チョコレートのような味わい。常温でも美味しくいただけますが、おすすめは「ぬる燗(40℃)」です。軽快でかろやかな旨口です。
⑦日置桜 (ひおきざくら)
「山根酒造場」は創業明治20年(1887年)。因幡の国の最北西に位置し、日本古代神話の風雅を伝える青谷町にあります。 因州和紙の里で知られるこの地の蔵では、鳥取県産の「玉栄」、「山田錦」、復活米の「強力」などを使い分けています。 「日置桜」は昭和13年全国清酒鑑評会にて名誉賞受賞。 昭和40年、中国地方で最初の吟醸酒の市販酒を発表し。昭和52年三増酒撤廃。平成元年復古米「強力」による純米吟醸酒を発表しました。
「日置桜 特醸 純米酒」は、原料米に「玉栄」を使った純米酒で、日本酒度は+9とかなり辛口ですが、お米の旨味がしっかりと引き出され、凝縮感のある旨味にあふれる酒です。 しっかりした酸がお酒に一本のしっかりした筋を入れて引き締めます。 お燗にしても最高に旨い一杯です。
⑧千代むすび (ちよむすび)
「千代むすび酒造」は創業慶応元年(1865年)。鳥取県境港市にあります。「千代むすび」とは、「永久に変わることのない人と人の固い結び、絆」を意味します。水は人里離れた環境抜群の中国山地の麓・島根県雲南市大東町に専用タンクを設置し、仕込時期には毎日汲みに行きます。やや軟水の仕込み水です。米は鳥取県産酒造好適米「山田錦」、「強力」、「五百万石」、「玉栄」を中心に、農家からの直接買い付けも年々増やしています。
「千代むすび 純米辛口 じゅんから」は、旨口ながら抜群のキレ味。
旨辛の日本酒をお探しならぜひこれをお勧めします。
広がる米の旨みを「キリっと」締めてくれる超辛口。
しっかりと「のど」に来る辛口酒です。
辛口党の方にぜひ一度飲んで頂きたいおすすめの辛口酒です。
いかがだったでしょうか?
日本全国美味い日本酒巡り:その33.鳥取の日本酒。
お気に入りのお酒を取り寄せて、鳥取の名酒を味わってみては如何でしょうか?